REPAIR

ケアーズ修理工房

アンティークウォッチは技術のある職人が適切なメンテナンスをおこなうことで、永きに渡り日常使用することが可能となります。
アフターケアの“ケア”から成る社名の通りメンテナンスの重要性を広めるべく、1989年の設立以来自社に修理工房を構え、修理工房の充実・技術力の向上に努めてまいりました。
30年以上の修理実績と熟練した職人の技術力を駆使し、あらゆる修理に対応いたしております。
仕入から修理・販売・アフターケアにいたるまで自社で一貫して行いお客さまに「安心と信頼」を提供できる、そのことこそがケアーズの最大の魅力です。
またアンティークウォッチの魅力を世に広めたいという創業者の思いから、当店でお求めいただいた以外の時計も可能な限り修理を承っております。
これからもお客さまに信頼され続ける「アンティークウォッチ専門の修理工房」を目指して参ります。

ムーブメントのコンディションや
仕様に合わせて行う修理

オーバーホール(分解修理)

アンティークに限らず、どんな時計にも定期メンテナンスは必要不可欠です。
機械式時計の場合、使用頻度に関わらず油は4~5年ほどで酸化します。油が乾いたままご使用になると、部品の摩耗が金属疲労や劣化を引き起こし、時計の寿命に大きく影響します。そのため当店では4~5年を目安に定期オーバーホールをお勧めしています。また、過去の修理で適切なオーバーホールなどの修理がされていないものに関しても、機械内部の状況をチェックし、修理可能であれば新品時の状態になるべく近づけるようにしています。
当店でお求めいただきました時計は、定期オーバーホールの基本料金を30%OFFでお承りしています。(パーツ代、調整代などその他の費用は対象外)

オーバーホールの流れ

STEP1.分解

担当の技術者が時計のコンディションに
合わせて修理の仕方を考えながら分解。

STEP2.洗浄

分解した部品の固着した油や汚れなどは
あらかじめ手作業で除去し、
その後専用の洗浄機で全体を綺麗に清掃。

STEP3.修理

トラブルが発生した箇所を
見つけ適切な修理を実行。

STEP4.点検・調整

数種類の油とその量を使い分け、
必要な箇所に注油し、
点検・調整を行いながら組み上げ。

STEP5.最終チェック

検査機でムーブメントの精度をチェック。
ダイアル・針をセットし、
ケースに収めて最終テストを数日間かけて行い、
オーバーホール完了。

レーザー溶接機による
破損したブレスレットの修理

自社工房内にレーザー溶接機を扱う外装修理専門の技術者が在籍。ブレスレットの破損やバックルのヒンジ部分の破損による修理対応を行います。
ケアーズではオーバーホールから細かな外装修理まで一貫して自社工房で行える事で、安心してヴィンテージウオッチをご使用いただける体制が整っています。

入手不能なパーツを旋盤で造る作業

入手不能なムーブメントのパーツを旋盤で造ることができると同時に、そのコンディションに合わせて部品を加工することにも旋盤を使用します。当時の貴重な高性能旋盤を使用し、パーツの研磨や様々なパーツを自作して修理対応することが可能です。

針の青焼き加工

針を焼き入れする事で硬さと強度が増し、その後焼戻しという再加熱を行うことで粘りや強靭性を高めます。この時に針表面に酸化被膜が作られ、これを綺麗に除去する事で錆びにくくなり、綺麗な色のブルースチール針ができあがります。
また、針だけでなく部品に関してもこの焼き入れ、焼き戻しを行う事で強度を上げる作業を同時に行っています。弊社では当時行っていた青焼きの手法を基本として、焼き入れ本来の機能である「耐久性」を持たせることと同時に、当時の時代に合った美しいブルースチールの色味にすることが可能です。
現在、アルミや真鍮などで作られた針が多いのですが、当時はスチールで作られた針が主流のため、経年によりブルースチールの色にくすみや錆が生じてしまうことがあります。このような場合、もう一度焼き入れを行うことにより鮮明なブルースチールの色味が復活します。

伸びが生じたベゼルの修正

風防交換の際、防水構造の時計はベゼルを取って作業を行うことが多く、その作業を繰り返し行うことによりベゼルに伸びが出てしまい本来の防水性能が低下することがあります。この場合、特殊な専用の工具で緩んだベゼルを絞ることで元のベゼルを交換するのではなく、元のベゼルを使用し防水性をできる限り復活させることが可能になります。

弊社修理工房には多数の職人/技術者が在籍しています。
それぞれ専門分野、得意分野など職人によって発想に違いがありますが、信頼され続けるアンティークウォッチ専門の修理工房を目指し、技術レベルを共有できるようにミーティングを定期的に行っており、技術者それぞれのスキルを高めています。