1941年に製造された、珍しいダイアルロゴ、ケースデザインの”トレタケ”モデルが入荷しました。

所謂ステップドベゼルデザインのケースですが、特筆すべきは通常のステップベゼルに見られる2段では無く3段になっている点で、同心円状の美しいデザインです。形状もフラットと異なり、丸みを帯びたよりクラシカルな趣が感じられるデザインとなっています。また、バックケースは３つの窪みに由来する’トレタケ’と呼ばれるこの年代のロンジンで非常に人気の高いケーススタイルの一つです。ケースだけ取っても見どころが多い個体です。自然な使用感はあるものの磨きの形跡やダメージの少ない状態の為、要となるベゼルはメリハリがあり、全体にシャープな状態を維持しています。

ダイアルは、元々のシルバーダイアルの表面がエイジングによって万遍無くシャンパンゴールドカラーに変化した雰囲気のある状態です。30年代後半～40年代らしいダイアルデザインに対して、ロゴが筆記体の様なレターで書かれており、通常は30年代初頭くらいに見られそうなこのロゴが特徴的でユニークです。

勿論ケースとしっかりマッチしており、アーカイブで確認したところあまり見ない中国のエージェントに送られた記録となり、その様な理由もあって普段見かけることが無い、ケース・ダイアルのデザインで出てきたものかと思われます。

厚みが残ったブラックペイントのアラビア数字インデックス、ミニッツサークル、この年代のロンジンロゴを配し、ブルースチールの輝きが未だ残るリーフハンドを合わせたこの年代らしいデザインです。

やや経年はありますが年代相応の状態で、何より雰囲気の良さが光るダイアルとなっています。

ムーブメントは自社製のCal.10.68Zを搭載、チラネジ天府に耐震装置付き、こちらも良好なコンディションを維持しています。

ブレスには、時計本体と合う古い年代のデットストックバンブーブレスレットを付けています。