1913年に製造された18KPG製のクロノメトロゴンドーロが入荷しました。このモデルは、パテックフィリップが1902年から1927年までブラジルの高級時計宝飾店であるゴンドーロ＆ラブリオ社と独占契約を結び、特別に制作された特別モデルです。ポーセリン特有の美しいダイアルは、表面に肉眼では見えない薄い皮膜のような経年変化がある程度で、艶感もしっかりと維持されクラックもありません。110年以上経過した時計としては素晴らしい状態をキープした個体と言えます。金無垢素材の削り出しによって作られた、繊細な工芸品のような仕上がりのスペードハンドに、大きく視認性の高いローマ数字、外周のミニッツレール、スモールセコンドの組み合わせは懐中時計らしい普遍的でクラシカルな意匠です。ゴンドーロはいくつかバリエーションがありますが、こちらはケース径54mmでずっしりとした重厚感のあるケースです。裏蓋はヒンジ式の二重蓋、巻き上げと操作のしやすい菊型リューズを採用し、ボウ部も大きめに作られており存在感抜群です。柔らかい印象の18Kピンクゴールドが贅沢に使用されており、バックケースには手の込んだ繊細な模様が施された高級感のある仕上げが随所から感じ取れます。ケースに小キズは付いておりますが、目立つダメージは無く、良好なコンディションを維持しております。裏蓋と内蓋の内側にカラトラバの刻印が入った珍しい仕様です。ムーブメントは、バイメタル切りテンプ、精度の微調整が可能な独特な形状の緩急針を備えたCal.21を搭載しています。こちらもダイアル、ケースと同様にきれいな状態で、レイアウトの美しさも際立っています。アーカイブが付属しております。